ずっと好きだったんだよ

「……今でも、栞の事、忘れられない……?」


私は悠也から視線を逸らし、俯きながら聞く。

それは、聞こえるか聞こえないかってくらい小さな声だったけど。

不安な私は悠也の答えを聞くのが怖かったから。


「えっ?栞?何で?」


小さな声だったけど、悠也には聞こえたみたい。

そして、悠也はとぼけているわけでもなく、本当にわからないというような感じで聞き返す。


「この前……、この前隠したプレゼント、栞にあげるつもりだったものでしょ?」

「あぁ、あれ?……隠したつもりはなかったんだけどな」


悠也は、ははっと苦笑いになる。


「でも、あの日、帰って来て、慌てて隠したじゃない」

「まぁ、慌てて片付けたのは間違いないけど」

「それは、栞の事が今も忘れられないから?栞への気持ちが、今でも心の中にあるから?だから……」


私は顔を上げ、


「だから、私に見られたらいけないって思って隠したんでしょ」


悠也の目をまっすぐ見る。

不安な気持ちに押しつぶされそうな私の目には、涙が溢れてくる。


「奈緒、泣かないで」


悠也は私の頬にそっと触れ、親指で涙を拭う。