部活を引退してからも、たまにだけどジョギングを気分転換にしていた。

それもあってか、部活を引退してからも、そんなに体力も落ちてなく、起きた時間はギリギリだったけど、入学式にはなんとか間に合う時間に、学校に着いた。


受付へ行き、名前を言ってクラスを教えてもらう。

そして、入学式が行われるホールへ走って向かおうとした時、


ドンッ――


勢い余って、誰かの背中にぶつかってしまった。


「……ご、ごめんなさい」


私はぶつけた鼻をさすりながら、ぶつかってしまった相手に謝る。


「大丈夫?」


その男の人は振り返り心配そうに私の顔を覗き込む。


「はい、大丈夫です。ホント、ごめんなさい。それじゃぁ……」


“失礼します”と言って私はホールへ向かおうとした。


「君、可愛いね!新入生?何組?」


だけど、その男の人は私の言葉を遮って、にこにこと笑顔で私の腕を掴んで引き止める。