「何で栞にあげる予定だった物だってわかったの?っていうか、その見付けたのって奈緒の為に買った物じゃないの?」

「私へのプレゼントじゃない」

「何でそんな事がわかるよ」

「そのプレゼントの箱に書いてあったブランド、私の働くショップのグループブランドなんだけどね。その悠也の部屋で見つけた箱、昔のデザインの箱だったから」


奈緒は悲しそうな表情で言う。


「でも、何で栞にあげる物だってわかったの?」

「そのデザインの箱を使っていたのって、私が学生の頃くらいのはずだから」


奈緒は短大に入ってすぐ、今働くショップでアルバイトを始めた。

だからっていうのもあり、グループブランドであるそのアクセサリーショップは学生の頃から利用していたらしい。


「だからって、何でそれが栞にあげる物だってわかるの?私達が知らない子かもしれないじゃん」

「悠也、好きな人がいた事はあるけど、付き合ったのって栞と私だけみたいだから」


奈緒は萌実からそんな話を聞いたらしい。

まぁ、萌実は陽輝から聞いたのだろうけど。