私がドキドキしながらその指輪を見ていると、悠也は箱の中から指輪を取り出し、


「奈緒、手、出して……」


私はそう言われるがまま、左手を出す。

悠也は私の持っていたビロードの箱から指輪を取り出し、私の左手にそのダイヤの光る指輪をはめる。


「綺麗……。悠也、ありがとう」


私は悠也を見つめ、にこっと笑う。

そして、私は悠也に抱き付いた。

そんな私を、悠也はそっと包み込んでくれた。


「奈緒、これからもずっと一緒にいような」


そして、悠也は私の耳元でそう囁いた。


「うん」


私は悠也の腕の中で頷く。

悠也の言葉が嬉しくて、私は悠也の腕の中で涙した。





ずっと、ずっと、好きだった人。

だけど、ずっと、友達としてしか見てもらえなかった。


だから、私はこの気持ちを諦めようと思った。

諦めようとした……

だけど、私は悠忘れる事が出来なかった。

自分でも“諦めが悪いな”と思っていたけど。

でも……

ずっと想い続けて、よかった。


今、こうして一緒にいられるのだから。


これからも、ずっと悠也のそばにいられる事が、すごく幸せだよ――…



【End】