「うん」

「今日、帰せなくなるかもしれないよ?」


その言葉がどういう意味なのか、ちゃんとわかっている。

だから、


「うん、いいよ」


私は少し緊張しながら、頷いた。

私の返事を聞くと、悠也は私の腕を引っ張りぎゅっと抱きしめる。

そして、悠也が私の肩に顔を埋める。

私も悠也の背中に手を回し、悠也のシャツをきゅっと掴む。

しばらく抱きしめ合っていると、悠也の腕の力が少し緩み、私の身体を少し離す。


「奈緒……」


悠也はいつもより少し低く、少し掠れた声で私の名前を呼んだ。

私が顔を上げると、悠也の顔が少しずつ近付いてくる。

私はそっと目を閉じ、そして、それを合図かのように、悠也は私に優しくキスをした。

だけど、それは次第に甘く深いものへと変わっていき……


「……奈緒、いい?」

「うん……」


私が頷くと、悠也は私を抱え、ベッドに沈ませた。


「奈緒……」


悠也は私の頭を撫でながら、たくさんのキスをくれた。

そして、私達はお互いを求めるように愛し合った。


私の意識がなくなる前に、


「奈緒、愛してるよ」


悠也は愛おしそうに私を見つめながら、そう言ってくれた。


「私も……。私も愛してる」