ずっと好きだったんだよ

それは、悠也の気持ちを知った日。


お互いの気持ちを伝え、私は悠也の腕の中にいた。

それは、すごく温かくて心地いい。

ずっとこの腕に包まれていたい、そう思っていた。

すると、悠也の腕の力が緩み、少し身体を離す。

その時、私は悠也が離れた事を少し寂しく感じていた。

だけど、離れたはずの悠也の顔が少しずつ近付いてき、


あっ、キス……


そう思い、私は目を閉じようとした。

だけど、なんか恥ずかしくなった私は、両手で悠也の胸を押していた。


「あっ……」


まずい、と思い、私が顔を上げると、悠也はすごく驚いた顔をしていた。


「悠也っ、ごめ……」


私が謝ろうとするのと同時に


「奈緒、ごめんな」


そう言って、悠也は一瞬寂しそうな顔をして、ポンポンと私の頭を撫でる。


悠也は何も悪くないのに。

私が急に恥ずかしくなっただけ。

だから、悠也が嫌だってわけではない。


「悠也!」


私がそれを伝えようと悠也を見ると


「ん?」


さっきの寂しそうな表情は気のせいかのように、悠也はすごく優しそうな表情で私を見ていた。


「あ、あの……。ごめんね」


だけど、私は上手く言葉が出てこなくて、謝る事しか出来なかった。


「奈緒は謝らなくていいよ。俺が悪いんだから。驚かせてごめんな」


悠也はそう言いながら、優しい表情で私の頭を撫でる。


その日以来、悠也の家に行くことはなかったし、悠也が私に触れる事もなくなった。

触れたとしても、手を繋ぐか、ポンポンと私の頭を撫でるだけだった――…