ずっと好きだったんだよ

「どうかしたの?」

「いや……。それより、奈緒、送るよ。綺那も遅いし送るよ。綺那って、今どの辺りに住んでいるんだ?」


悠也は私から視線を逸らし、綺那に聞く。


「まだ電車があるから大丈夫よ。ねぇ、それより悠也!ちょっと……」


綺那はにやにやしながら悠也を手招きし、耳元で何かを言っている。


「えっ!?でも……」


なんだかわからないけど、悠也はすごく慌てている。


「大丈夫だって!じゃぁね、奈緒、頑張るんだよ!!」


そう言って、綺那は駅の方に向かって歩き出す。


“頑張れ”って、確実、あの事を言っているよね?

“私が悠也を誘う”って話だよね?

ってか、それ、さっき、無理って言ったのに!!

そりゃ、悠也ともっと一緒にいたいと思っているし、綺那にもそう話したけど……

だけど、悠也は明日も仕事。

“もっと一緒にいたい”

そんなわがまま言えないよ。


「な、なぁ……。奈緒、明日、休みだろ?」

「うん」

「明日、朝から予定入れてる?」

「えっ?特にはないけど?」


どうせ一人だし、仕事の日に出来なくて溜め込んだ掃除と洗濯をして、後は家でゆっくりしようと思っていただけ。