「ねぇ……。それって、ただ悠也ともっと一緒にいたいだけなんじゃ……」


綺那は「結局、惚気?」って、呆れた表情で私を見る。


「惚気てないし!ってか、私はさっきから“ゆっくり会えない”って言ってるじゃん」


今までずっと隠してきた気持ち。

それに、私は悠也と付き合えるなんてあり得ないって思っていた。

だから、悠也に気持ちが通じただけでもすごく嬉しい事なのに。

そう、最初の頃は悠也に気持ちが通じた事が嬉しかったし、それだけでよかった。

だけど、仕事終わりの少しの時間だけど、悠也と二人きりの時間を過ごす様になって、“もっと一緒にいたい”なんて欲が出てきている。

悠也と付き合うようになって、私はすごく欲張りになったているんだ。


「ってかさ、そんなの悠也の家に泊まりに行くか、奈緒の家に悠也が泊まればいいんじゃないの?で、そのまま出勤するか、もしくは少し早起きして一回家に帰ってから出勤するとかさ。そうすれば、今以上に一緒にいられるでしょ?」

「えっ?で、でも……」

「でもって、奈緒。何恥ずかしがってんの?」


綺那の言う通り、今、私の顔は自分でもわかるくらい真っ赤になっているし、わかりやすいくらいあたふたしていた。