「私……、悠也のそばにいたい。悠也がいいのなら……、ずっと、一緒にいたい……」


私はもう悠也の事を吹っ切ったつもりだった。

だけど、私の心は悠也に見つめられるだけで、すごくドキドキする。

心の奥底では、悠也の事を忘れられていなかった。

悠也への好きという気持ちを諦められていなかったんだ。


「奈緒……。抱きしめてもいい?」


悠也は真剣な表情のまま私を見つめる。

私は、すごく恥ずかしかったけどコクンと頷いた。

その瞬間、私は悠也の腕の中へ。


ずっと、ずっとこの時を夢見ていた。

だけど、絶対にあり得ない事だと思っていた。


でも……

今、私は悠也の腕の中にいる。


ずっとこの腕の中に包まれていたい――…