悠也にフラれた日以降も、頻繁ではないけど、飲みに行く誘いはあった。

だけど、私はそれを断っていた。

少しずつだけど、気持ちの整理は出来ている。

私はそう思っていた。

でも、悠也に会う勇気はまだなかったんだ。


もう少し……

もう少し、時間をちょうだい。

そしたら、きっと普通に悠也に接する事が出来るから。



その年の暮れ――…


“忘年会をしよう”って誘いがあったが、私はそれも断った。


「いつまで悠也に会わないつもり?“前に進む”って言ったけど、まだ引きずってるんじゃないの?」


飲み会の誘いを断り続ける私は、綺那にそう言われた。

悠也にフラれて3ヶ月。

私の気持ちは大分落ち着いている。

だから、“悠也に会っても大丈夫かな?”って気持ちもあったけど、でも、


「年末は本当に忙しいのよ」


年明けにはセールがあるから、その準備で忙しい。

年明けセールに限らず、セール前は店を出るのが0時近くになる事が多い。


「仕事なら仕方ないけど……。でも、来られそうなら連絡してね」


綺那は渋々納得していた。