私は完全に悠也にフラれた。

いつまでも悠也の事を想っていても悠也に迷惑を掛ける。

だから、自分の気持ちを誤魔化さず、今度こそ、ちゃんと自分の気持ちを整理するんだ。

私はそう思っていた。


それからの私は仕事に没頭した。

仕事に没頭すれば、悠也の事を考えなくていいから。

それに、お客様には私のプライベートなんて関係ない。

体調が悪かろうが、プライベートで何かがあったとしても、常に笑顔でいなきゃいけない。

だから、仕事をしている時は笑顔でいれたし、その時は悠也の事を考えなかった。

だけど、やっぱり一人の時はまだ辛くなる。

悠也への想いは、思い出にする。

わかっていても、12年もの想いはフラれたからといって、そう簡単に気持ちの整理は出来ない。

だから、休みの日は、綺那や萌実とご飯へ行ったり、自分の好きな事をして予定をたくさん入れた。

少しでも、悠也の事を考える時間を減らしたかった。

予定を入れて、休みの日も忙しくしていた私は、自然と悠也の事を考える時間は減っていった。