「ねぇ、悠也……。何でそうなるの?」


私は涙が溢れてくるのを必死にこらえる。


「私、同窓会の日、悠也の事が好きって言ったよね?諦めようとしても諦められなかったって……。なのに、何でそうなるの?何で、そんな事を言うの?櫂とよりを戻すって……、そんなわけないじゃん……」


だけど、私は悠也の言葉が悲しくて、涙をこらえきれなかった。

元はと言えば、私の言葉足らずが原因で、悠也にそんな風に思わせてしまったんだけど。


「奈緒、ごめん……。高橋先輩の事をどう思っているか聞いたら、奈緒が高橋先輩の事を好きだって答えたから……」

「それは、悠也が“好き”か“嫌い”かで聞いたから……。だけど、上手く言えないけど、櫂の事は好きだよ。でも、その“好き”っていうのは、人として好きっていうか……。とにかく、櫂に対しての好きと、悠也に対しての好きの気持ちは違う」


今度はちゃんと伝わったかはわからないが、私は思ったまま答えた。


「そっか……。奈緒、泣かせてごめん」


そして、悠也は私をまっすぐ見つめ、


「俺も奈緒の事は好きだよ。だけど、それは奈緒の気持ちとは違う。奈緒の事は、友達としか思えない。奈緒は大切な友達なんだ。……だから、ごめん」


そう言って、頭を下げる。