「奈緒……。今でも、悠也の事が好きなのか?」


お店の中に入ると、陽輝は心配そうに私の顔を覗き込む。


「……うん。……ねぇ、栞も、まだ……、悠也の事、きっと……」

「あぁ。そうだろうな」

「二人とも“違う”って言ってくれていたけど……。でも、別れたのって、やっぱり私のせいだよね……」


栞もさっき、“結果は同じだった”って言ってくれたけど。

だけど、私の心は罪悪感でいっぱいになる。


私のせいで二人は別れたのに、私の気持ちを悠也に伝えてもいいのだろうか。

やっぱり、私の気持ちは伝えない方が、心の奥底に隠しておいた方がいいんじゃないか。


そんな風に思ってしまう。


でも、それで私は前に進めるの?


「奈緒のせいじゃないって、悠也も言っていただろ?だから、気にすんなって」


落ち込む私に陽輝は優しく微笑む。


「うん……」

「でもさ、奈緒はどうするんだ?」

「どうするって、何が?」


私は顔を上げ、陽輝を見る。