私はお酒が入っているのもあり、カラオケ店に向かう間、悠也の腕に自分の腕を絡ませて歩いていた。

そう、ちょっと酔った勢いと、久しぶりに会った友達にじゃれているという感じで……

別に私はお酒が弱いわけではないし、正直、そこまで酔っているわけではない。

本音は、ただ悠也に触れたいだけ。

お酒の力を借りて、いつもの私ではなく、ちょっと積極的に行動してみただけなんだけど。


「なぁ。お前、いつまでくっついてるわけ?」

「えぇー。ダメ?」


私は悠也を見上げる。


やっぱりダメだったかな?

悠也、私にくっつかれるのは嫌なのかな?

そうだよね。

私と悠也は友達なんだから。


「会社のヤツらと、この辺りでよく飲んでいるんだよ」


はぁ、とため息を吐きながら、悠也は私の腕を離そうとする。


あっ……

私、悠也に気持ちを伝えるって思っていたけど。

肝心な事、聞いてない。


悠也……

今、彼女、いるのかな?


「ふぅーん。誤解されたらマズイ人とかいるの?あっ!悠也って、今彼女いるの?」


出来るだけなんでもない風に聞く。

だけど、私はドキドキしながら、悠也の返事を待つ。