「お前ら、二次会行く?」


同窓会も終わり、外で話していた私達に幹事の子が話し掛けてきた。


「あっ、俺パス。明日も仕事なんだ」


てっちゃんは飲食店で働いていて、明日は朝から出勤らしい。


「ねぇ、悠也。二次会行こうよー」


そう言いながら、悠也の腕をクイクイッと引っ張る。


「ってか、お前も明日仕事じゃねぇの?」


そんな私を悠也は見下ろす。

ここで帰ってしまったら、今日も気持ちを伝えられないまま終わってしまいそう。

私自身の気持ちの問題だけど、気持ちを伝えるきっかけが掴めない。

“次、綺那も大丈夫な日にみんなで集まるから、その時でもいいかな?”なんて気持ちもあるけど。

先延ばしにしたら、また勇気が鈍る。

だから、今日。

今までの想いを悠也に伝えるんだ。

そう思い、私は悠也を二次会に誘う。


「明日は遅番にしてもらっているから大丈夫。ねぇ、一緒に行こうよー」


私は悠也の腕を掴んだまま、見上げる。


「あぁ、わかったよ」

「やったー!」


私に笑顔を向けてくれる悠也に、私はドキドキした。


「陽輝はどうする?」

「あぁ、行くよ」


悠也の問いに答えた陽輝の言葉を聞いた幹事の子は「じゃぁ、駅前のカラオケな!」と言って、他の子達にも聞きに行った。


「じゃ、俺、帰るわ」


そう言って、帰ったてっちゃんと別れて、私と悠也と陽輝は二次会の会場であるカラオケ店へ向かった。