ずっと好きだったんだよ

「そうだな。俺も高橋先輩に会いたい」


なんとか断ろうかなって思っていたけど、悠也と陽輝まで櫂に会いたいと言い出した。


「奈緒、電話してよ!」


そう言うてっちゃんは、目を輝かせて私を見る。


「う、うん……。わかった」


私は鞄からスマホを取り出し、櫂に電話をする。


プルルル プルルル……


『もしもし?奈緒、もう帰るのか?』


スマホ越しに、いつもと同じ櫂の優しい声が聞こえた。


「ううん、まだ……。あのね、みんながさ……会いたいって」


私は櫂の名前を呼ぶ事が出来なかった。

今は“櫂”って呼ぶようになったけど、つい最近まで“先輩”と呼んでいた私。

てっちゃんに冷やかされるから、名前を呼べなかったわけじゃない。

悠也の前で“櫂”って呼びたくなかったんだ。

だって、“先輩”から“櫂”に呼び方が変わっているって事は……

それだけ親密になっているって事だから。