そして、土曜日――…


「奈緒ちゃん。今日、友達と会うんでしょ?もう上がっていいよー」


閉店後、後片付けをしていると、店長が声を掛けてくれる。

他のスタッフも


「うん、上がりなよ」


と言ってくれた。

私は店長や他のスタッフ達の言葉に甘えて、先に上がらせてもらった。


店を出た私は、陽輝に電話をする。


プルルル プルルル……


『もっしもーし!』

「えっ?綺那?」


陽輝にかけたはずなのに、綺那が出て私は驚く。


『奈緒、久しぶりー!今ね、駅前の多国籍料理のお店にいるよー』

「わかったー。今から行くね」


そう言って電話を切り、私はその駅前のお店に向かった。