「……かい……」


私は少し照れながら、小さな声だけど高橋先輩の名前を呼んだ。


『ありがとう。……ごめんな、無理矢理呼ばせて……』

「ううん。じゃ、私、陽輝に返信するね」


バイバイ、と言って、私は電話を切った。


先輩……

ううん、櫂……、ごめんね。

私がこんなだから、不安にさせちゃっているんだよね。


私はしばらくスマホを握った手を見つめていた。

そして、

“土曜日はバイトだから、終わったらでもいい?”

それと、閉店時間は20時で、閉店後の作業が終わってから行く、という事を陽輝にメールする。

そして、しばらくしてから

“了解。終わったら連絡して”

と、陽輝から返信がきた。