夕食も食べ終わり、私達は楽しく話していた。


その時――…


「最近、彼と会っていないんです……」


そう、近くの席から栞の声が聞こえてきた。

私は聞かないようにしていたけど、だけど、耳は自然と傾いていた。


「えっ?なんで?」


“会ってない”と寂しそうな声で言った栞に、周りにいた先輩達は聞く。


「友達と会うとか、バイトが忙しいとかで……。私と会う時間、作ってくれないんです。……もしかしたら、浮気しているのかな……」


その最後の言葉が聞こえた瞬間、プチンッと私の中の何かが切れた。

バンッとテーブルに手を付き、私は勢いよく立ち、栞を見る。


「いい加減にしなさいよ!悠也は浮気をするような人じゃないでしょ!!栞っ!アンタ、今まで悠也の何を見てきたの!!」


私は周りに人がたくさんいる事を忘れ、大きな声でキレた。

すると栞は、


「ねぇ、奈緒。サークルにあまり来ていなかったけど、隠れて悠也と会っていたんじゃないの?」


そう言いながら、キッと睨む。