私は、綺那に自分の本当の気持ちを話して、そして、綺那の話を聞いて、気持ちがラクになった。

やっぱり二人を見るのは辛いけど、前みたいに“諦めなきゃ”っていうのがない分、私の気持ちは落ち着いていた。

まだ、心から祝福は出来ないけど。

でも、悠也と距離を置こうって気持ちはなくなった。

今までみたいに、友達として悠也のそばにいる。

そして、いつか、心から悠也の幸せを願えるようになればいいなって思えるようになった。



私は悠也の事を秘かに想い続けたまま、卒業式の日を迎えた。

卒業後の進路はというと……

悠也と陽輝は同じ大学で、栞もてっちゃんもそれぞれ別の大学。

綺那は美容の専門学校。

そして、私は短大へ。

悠也と陽輝は同じ大学だけど、それぞれ別の進路へ進む。


このまま悠也と会う事がなくなり、自然と悠也を好きな気持ちを忘れる日がくるのかな?


私はそんな風に思っていた。

もう、無理をして、忘れようとはしていなかった。


卒業式を終えた私達は


「また会おうね!」


と、約束をして、3年間通った高校を後にした――…