すれ違い*Pure Love《1》






「昔の人は、結婚を申し込むときには歌を詠み、それに答えるときにも歌を詠みました。つまり、歌を詠めないと―…」


昔の人は、たった31語でどうやって想いを伝えたんだろう…?


もし、31語で想いを伝えろと言われても、俺にはきっとできないと思う。


そんなに上手く言葉になんかできない。


このキモチを、どうしたら伝えられるんだろう…?


好きとか…


その一言で伝えきれる想いじゃなくて…。


きっと、このキモチを言葉に例えることなんて、できない気がする。


気づいたら目が追っていて。


隣に座るだけで胸が高鳴る。


諦めたくても諦められなくて。


俺が俺じゃなくなるんだ。


そんな想いをどう言葉にしたらいいだろう?






そこまで考えて、思わずため息が出る。


今、そんなことを考えたって意味なんかないのに。


だって今、彼女はここにいないのだから…