すれ違い*Pure Love《1》






野球部の声を聞きながら、走り回るサッカー部を眺める。


眺めるだけで十分。


そこに彼はいないのだから。


彼がいないのだから、見る意味なんてない。


彼が、いないのだから…












ガラガラッ






静かな教室に響くドアの音。


無意識に早まる胸の鼓動。


それに合わせるように足音が近づいてきて、ちょうど私の横でピタッと止まった。


振り返りたい。


振り返って確かめたい。


そう思うのに体が動かない。


体が完全に固まっていて、どうすることもできなくて。


そこにいるのが、彼なら…


今井クンならいいのに。


そう願いながら、勇気を振り絞るように、ギュッと強く目を瞑って…


ゆっくりと…


ゆっくりと。


後ろを振り返り


一度閉じた目を慎重に開いた。