急いで階段を駆け上がり教室に着くと、そこに弓菜はいなくて。
広がっていたのは、あの日と同じ静かな教室。
彼に恋した、あの日と同じ寂しい教室。
そこに彼がいないことが、私の失恋を決定づけていた。
だから…
だから、私はまたあの席に座った。
窓際、前から4番目。
あの日私が泣いていた席。
あの日私が彼に恋した席…
ここで泣いたら、今井クンはまた来てくれるかな?
隣の席に座って、ずっとずっと傍にいてくれるかな?
そんなことを考えながら、私は窓の外を見下ろした。
そこに彼がいるはずないと知っていながら。
あの日と同じように、隣の席のイスを後ろに引いておいた。
彼が来るはずなどないのに…

