すれ違い*Pure Love《1》






♪〜♪〜


静かな部屋に響いた着信音に、私は思わず飛び起きた。


着信 弓菜


あわてて開いた携帯のディスプレイにはそう表示されていた。


早退したから心配してくれたのかな?


そう思いながら通話ボタンを押す。


「もしもし?」


『あ、梨々?』


「うん。」


電話に出ると耳に入ったのは少し慌てた様子の弓菜の声。


どうしたんだろう…?


そう思いながら耳をすませて弓菜の返事を待つ。


『あのさ、今暇だったらすぐに学校来てくんない?教室で待ってるから。じゃあね。』


ツゥー ツゥー ツゥー


私の返事を聞くこともせず一方的にきられた電話に、少しイラつきながらも、私は携帯をポケットに突っ込んで立ち上がった。


イスの背もたれに雑にかけられたコートを手に持ち、小走りに玄関を飛び出した。