いつもの道を、俯きながら歩く。 この信号を渡って。 次の交差点を右に曲がる。 しばらく真っすぐ進んだら、踏み切りを渡ってまた右に曲がる。 その次はあの角を左に… 今は何も考えたくなくて、そんなどうでもいいようなことを頭の中で呟きながら歩いていた。 でも… 私はそんなに器用な人間じゃなくて。 考えない。 今は考えない。 考えたくない。 そう思えば思う程、頭の中はあの手紙のことでいっぱいになって。 あの空席が頭に浮かんで。 彼のことでいっぱいになっていった。