「アイツの仕業だな。」 その声に反応し、私はチラッと隣を見た。 「はぁあ。アホらし…」 呆れたような口調で弓菜がボソッと低く言った。 「高野クン、こういうの好きだよね…ホント……」 何かを企んだようにニッと笑う姿が想像できて、私は思わず苦笑いした。 「ま、そこがいいとこだけど…」 聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で呟く弓菜。 案の定、優と七海には聞こえてはいない様子。 聞こえてしまった私は窓の外に目をやって聞こえなかったフリをする。