世の中は不公平だ。


これで、何年目だろうか
私が親に捨てられてから。
私は小学校に上がるぐらいから
両親の行方が分からなくなった。
まだ、幼かった私は親に捨てられてるとは
知らずにのうのうと気楽に生きていのだろう。
でも今はそんな幼かった頃の自分にでさえ戻りたい。
気楽に生きていられるのだから。
私は両親がいなくなってからは、幼なじみの彩花の家で育ててもらった。
彩花とは、なんでも話せる関係。

…と言えたらどんなに楽だろうか。
彩花とはただの幼なじみ。
彩花は私とは正反対。
明るくて、頭もよく愛想もいいし友達も多いし
なにより、親に愛されて育った子だから。
彩花の他にも幼なじみはあと2人。
優樹に龍。
ま、どっちかというと私はあの2人のが気が合うのかもしれない。
でも、いずれにしろあの2人もなんでも話せる関係ではない。
ただの幼なじみ4人組。

「莉奈~学校遅れるよ〜」
はいはい、分かってますよ。
「分かってる、先に行っていいよ」
これで何回目だろ彩花に起こされるのは
「ダメだよ。莉奈と一緒に行くの!
だから、莉奈早く!!」
「あ~はいはい。」
…だるいな。
なんで彩花の為に急いでいるのかも不思議だし。なんで一緒に行きたいのかも分からない。
私なんかと行ってなにが楽しんだか…。
他のやつと行けばいいのに。


こうやって、彩花と2人で歩いてる時が1番苦痛なんだよな…。
早く、あいつら来てくんねーかな。
「…んでね、って莉奈聞いてる?」
「あ、ごめ。ボーとしてた。なに?」
「だから、莉奈は顔可愛いんだからもうちょっと大人しくしたらモテるのになぁ〜って…。」
はぁ…でたよ。
こーゆう女の褒め合い大嫌いなんだよな。
「そっか。考えてみる。」
『り~なぁぁぁ。あやかぁぁおっはよう!』
あ、いいとこに来たな。
「はよ」
「おはよ(^-^)てか、龍は?」
『あー、あいつ寝坊www』
「え〜。高校になっても変わんないね。しかも、今日から高2なのに…。」
『ま、あいつらしいっちゃらしいけどなw』
「確かにね~(^-^)」
朝から彩花と優樹が喋ってる内容がなぜかイライラする。
人の寝坊なんてどうでもいい。
はぁ…ほんと退屈。
なんで、私の人生はこんなにも不幸なんだろ。
「莉奈!!みてみて!」
「ん?」
「門のとこ!!頭髪検査してる。莉奈また入れてもらえないか職員室だよ?」
「大丈夫、なんとかなるよ」
なんて、言ってもなるか分かんないけどね


「おい!宇野!宇野莉奈!お前はまた髪明るくして、それから耳のピアスもだぁ!一旦職員室にこい!話はそれからだぁ。」
つかまった、、ま、いっか。
どーせ、暇だしな。
「はぁーぃ。」
『お前またかよwww』
「おい、末吉優樹お前も眉毛と髪違反だ。」
『えー。そんなぁ〜。』
「お前らは、坂本を見習え」
『彩花は根っからの真面目だもんなw』
そんなとこも、嫌い。
誰にでも、愛される彩花なんて嫌い。
大嫌い。

「とりあえず、私いくから…」
『あ、おい!俺もひっかかってるし一緒行こうぜ。じゃーなぁ彩花!』
「え…うん。彩花だけ1人なんて寂しいけど遅刻しちゃうから行くね!」


『…お前彩花の事嫌いだろ。』
「え…」
いきなりの言葉にびっくりもしたし
真剣な顔の優樹にまた、おどろいた、

「なんで?」
『何年いると思ってんだよそんぐらい分かる』
…あぁ。うざ。友情ごっこ?
何年一緒にいても、私の本性しらないくせに。
「違うよ、嫌いじゃないよ!」
嫌いじゃないよ、大嫌い。
『そか…ならいんだけどな。変な事聞いて悪かったな。』
「大丈夫。」
こいつは、昔からそういきなり私の何かを見ようとする。
「なら、私行くね。今日サボるし」
『あ、まぢか、じゃーな!』


早く逃げないと優樹にまた聞かれるんじゃないかと焦って逃げた。
別にやましいことはないけど、あらたまられたら答えにくいし。

それにしても、今日も退屈な1日で終わるのかなぁ…。

ま、いつもの事だしね。今更だね。