~柚羽side~

目が覚めると、私の世界から音が消えていた。
抽象的に、ではなく。

私は、バイクとの接触事故にあい、頭を強く打ったらしい。
そのせいで、一週間も眠っていたんだって。
『音』が消えたのは…、
後遺症、だそうだ。


筆談で行われていたこの会話の次の文を見る前に私は目を閉じた。
見たくない。
見たくない。


そこに書かれていたのは。














『直音君の元カノさんが指示したらしい』