「あ、楓くん!」
遠くから歩いてくる楓くんの姿を見つけた。
手を振ると、楓くんも私に気づいたのか目が合った。
「・・・よ」
近くまで来ると短く声をかける。
私も笑顔で応えた。
「初めまして!梨乃の友だちの、大野まひろです」
「・・・津川亘です。よろしく」
「ああ。瀬賀楓。よろしく」
楓くんは素っ気なくもちゃんとあいさつをしている。
そうして私たちは海へと向かった。
更衣室に入ると、まひろが私に詰め寄ってきた。
「瀬賀くん、かっこいいじゃん!」
「え、あ、うん・・・」
私は顔を赤くさせる。
別に、私が褒められてるわけじゃないのに。


