―海、行かない?
夜、まひろとの電話でそう言われた。
海・・・。
夏の海なんて、あれからずっと行っていない。
男の人がたくさんいる。
でも・・・。
「行く」
―え!?行く?
「うん。行ってみる」
―本当?・・・無理かなって思ったんだけど、一応誘ってみようと思って。大丈夫?
「うん・・・。なんでもやってみたい。確かに、怖いけど。まひろがいるし、大丈夫」
誰も、私の事なんか、気にしていない。
そう思えば。
私だって、あんなことがなければ、海で遊んだり、お祭りに行ったり。
きっと、他の子たちみたいに楽しめていたはず。
私だって。
「私だって、普通に楽しいことしたい」
―梨乃・・・。梨乃、なんだか強くなったね
「そうかな?」
―あの人のおかげ?
「え?」


