「あんた、友だち待ってんじゃねぇの?」
「あ!」
「・・・俺も仕事急ぐから」
「う、うん。じゃあ、また・・・。あの、公園来てくれるよね?」
「・・・ああ」
せっかく会えたのに。
少し寂しくなる。
笑って楓くんを見送る。
楓くんの背中が遠ざかっていく。
「梨乃!」
2人が駆け寄ってくる。
なにも言わず駆け出してしまった。
「ちょっと、梨乃!あの人誰!?」
「あ、えと・・・。楓くん」
「楓くん!?なにそれ!男でしょう!?平気なの?」
まひろはものすごく驚いている。
それもそうだ、私は男の人が側にいるだけで怖くなって、話すことなんてサラサラ無理だったんだから。


