日曜日のお昼。
私は、秘密の場所にやってきていた。
少し高台にある、古びた公園。
公園の一角は崖のようになっていて、その先には綺麗な街の景色が広がっている。
この近くに新しい綺麗な公園ができたことにより、この場所はすっかり寂れ人気はほとんどない。
男の人が怖い私にとって、この場所は誰もいなくて開放的になれる外では貴重な場所。
時々ここに来てはこの景色を眺める。
「夜は夜景がきれいなんだろうな・・・」
夜は、いまだに怖くて外に出れないから無理だけど。
コンクリートの塀にもたれかかりながら呟いた。
「あんま乗り出すと落ちるぞ」
突然、人の声にビクッと体を震わせた。
振り返れない。
だって、男の人の声だったから。
少し高めだけど、確実に男の人の声だよね。
バクバクと、心臓が煩いくらいに暴れ出す。


