「ただいま」
家に入ると、私の声に気づいたお母さんがリビングから顔を出した。
「おかえり、大丈夫だった?」
「うん。大丈夫。ありがとう」
お母さんは、いつも帰るとそうやって心配して聞いてくれる。
それでも、私が外に出たり、少しずつ克服して行こうとしてることを応援してくれて、見守ってくれる。
「お母さん、あのね。私、KAEDEに会ったよ」
「ええ!?KAEDEって、梨乃が好きなモデルさんでしょう?」
私の言葉に驚きを隠せないお母さんに、私はしてやったりとにやける。
お母さんを驚かせることに満足して私は、手を洗いに洗面所に向かう。
「もう、梨乃、詳しく教えてよ。お母さんだって、好きなのよ」
「え?そうだったの?」
「そうよ。梨乃が言うから気にしていたら、お母さんもファンになっちゃったわよ」
そうだったんだ。
KAEDEの人気は年齢を問わないのか、としみじみ感じる。
私は、お母さんに撮影の様子をこと細かく説明してあげた。


