そう言えば。
「楓くんって、どこに行ったんですか?」
「えっ」
撮影もすべて終わり、社長さんの仕事が終わるまで、最初にいた部屋で待機している時ふと思い出した。
一緒に来たはずなのに、姿を見ない。
というより、楓くんって社長さんとどういう関係なんだろう。
「楓さんは、少し所用で出ているんですよ」
「そうなんですか」
「はい。でも、そろそろ戻ってくると思いますよ」
そう言われ納得する。
どんな関係かは、私が聞くようなことでもないし。
そうして待っていると、郁美さんの言葉通り、楓くんが戻ってきた。
「あ、楓くん」
「・・・おお」
ぶっきら棒に短く声を発する楓くん。
よかった、普通に話せる。
私、楓くんにもちゃんと謝らなくちゃ。


