君と私の秘密の恋




「あ、亘だ」


もうすぐお昼休みが終わるから、屋上から戻って階段を下りていると、まひろが声を上げた。
その視線の先には、津川亘(つがわ わたる)といって、私とまひろと同じ中学の同級生が歩いていた。

まひろの声に振り向いた亘は目を見開き手をあげて応えた。



「おお、大野。・・・と、梨乃。よ」



元気よく声をあげた亘は、まひろの後ろにいた私に、遠慮がちに声をかけた。
私は、まひろの後ろに身を隠しながら小さく頷く。



「亘、おはよう・・・」




小さな声でそう言うと、亘はにっこり笑ってくれた。
私はホッとして、微笑む。


私とまひろ、そして亘は、中学で知りあって仲良くなった。



私と亘も、昔は笑って話をしたり遊んだりしてた。
過去の事件で、私が男の人が怖くなるまでは・・・。