「その返事に、KAEDEはね。頑張れなんて、言われなくてもわかってる。苦しいのは、頑張ってるってことだからって。誰かと比べるんじゃなくて、自分の中で少しでも進めていたらそれでいいって言ってくれたの」
「そっか。いいこと言うね」
「うん。それ読んでね、私、心が軽くなった気がしたの。真っ暗だった世界に少しだけ光がさしたような」
まだ薄暗い世界を歩いている私。
それでも、前よりは少し光は差した。
それで、いいんだ。
そう思えた。
「男の人は、やっぱり怖い。でも、同じ空間で授業を受けるくらいはできるようになったから」
「そうだよね。梨乃は、頑張ってるよ」
「まひろが、いてくれるからでもあるよ」
私がそう言うと、まひろは嬉しそうに笑って私の頭を優しく撫でてくれる。
大好きなまひろ。
私には、まひろがいてくれるから大丈夫。


