日曜日。
私は、また公園で楓くんと会っていた。


楓くんは、もう私がいても帰ったりしない。
私もまた、楓くんがいても躊躇したりしない。



自然と中に入って、挨拶を交わす。
楓くんはぶっきら棒であまり多くを語らない。



「楓くんは、何歳?」

「・・・20」

「そうなんだ。私はね、18歳」

「ふぅん」



一定の距離を保ちながら話す。
楓くんは、あまり私に興味はないみたい。

だから、私が一方的に話してる。



「今日は写真撮らないの?」

「んー」



楓くんはカメラをベンチに置き去りにして街を見下ろしている。
私はその背中にベンチから声をかける。


どうしてこんなに気になるんだろう。
大嫌いな男の人なのに。

こんなにも、気になって話したくなるのはどうしてだろう。