「梨乃、おはよう」
「・・・亘。おはよ」
次の日の学校。
亘が恐る恐る声をかけてくれる。
私は笑って答えた。
ホッとしたような表情で亘が少し離れて並んで歩く。
「KAEDEに会ったって?」
「あ、まひろに聞いたの?うん。とてもすてきだった!」
「そっか。よかったな」
亘が笑う。
私も笑って頷いた。
こうして、話せることが嬉しい。
前みたいに、笑って話せるようになれたら。
亘の傷ついた顔、見たくないから。
「りーのッ!」
「わ!」
突然後ろから抱きつかれ躓きそうになる。
声ですぐまひろだってわかる。