「この写真がいい」
「ん?どれ」
彼が私の持っているアルバムを覗き込む。
ドクン。
いつもと違う、胸の高鳴りを感じた。
え・・・?なにこれ・・・。
「・・・どれだよ」
不機嫌そうな声が降ってきて、ハッとした。
私は慌てて写真を指差した。
それは、真っ蒼な空に綺麗な虹がかかっている写真だった。
「・・・綺麗、虹も、空も」
「・・・ああ」
ストンと私の隣に座る。
私は顔をあげ、彼を見た。
「俺が、唯一とった空の写真」
「え?これが?」
唯一・・・?
確かに、他に空の写真はない。
何か意味が?
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