彼女の名前は、大野まひろ。
私と同じ高校3年生の17歳。


私は、坂口梨乃。
つい最近5月に18歳になった。



「またこんなところに一人で」

「だって、怖いんだもん・・・」



まひろは私の隣に座る。
手にはお弁当。

私は手に持っていた自分のお弁当をぎゅっと握りしめる。




「だから、誘ってくれたらいいでしょう?私は、梨乃の親友じゃないの?」

「・・・親友」



私が小さく呟くと、「でしょ」とまひろは明るく笑った。
よしよし、と私の頭を撫でる。




「あれから3年・・・。やっぱり、まだ怖い?」




まひろが、思い返すように空を仰ぐ。
その動作に、思い出したくなかった記憶が呼び戻されてしまった。




「あ、ごめん・・・。思い出しちゃったね」



まひろが私を抱き締めてくれる。