そして、その日はやってきた。
その日は6月の頭頃。
まだ海に入るような時期じゃない。
人のいない時に撮影をするため少し早いこの時期になったらしい。
極秘で撮影が行われていて、誰かが入ってこないように厳重に警備されている。
遠目でも見れないくらいの厳重ぶりだ。
こんなもんなんだろうか。
そう思いながら、まひろが話をつけてくれて中に通してもらう。
「まひろ!」
「ケンちゃん」
遠くから、まひろを呼ぶ声にビクッとした。
まひろの親戚のお兄さん。
今日、誘ってくれた人だ。
だから、怖がるなんて失礼すぎる。
「・・・はじめまして・・・」
勇気を出して挨拶をした。
ケンさんはにっこりと笑ってくれた。
「梨乃ちゃん、初めまして。話は聞いてるよ。無理しなくていいからね」
「・・・はい」
優しい言葉に、ホッとする。


