「梨乃・・・。俺、梨乃の事が好きだ」




間髪言わずに言われた言葉。
私は目を見開いた。


え・・・。
亘が、私の事を、好き?




「ずっと・・・好きだった。中学の時から。でも、あんなことがあって、男が怖くなって・・・。そんな事言いだせなくなって」

「あ・・・」

「いつか、梨乃に俺を見て欲しいって・・・」



そんな風に思ってくれてたの?
私、気づけなくて。
自分の事で精いっぱいで。

なにも、言えなかった。



「だから、梨乃が、あいつの事が平気だって知って・・・すごく悔しかった」

「か、楓くんの事・・・?」



私が尋ねると、亘は小さく頷いた。