「自然な感じで、顔は少し上向いて」



指示されたことを、聞いて言われたままにポーズをとる。
私とKAEDEの頭が触れる。
安心、する。

不思議だ。



「いいよ、KAEDE軽く微笑んで。梨乃ちゃんは、そのままその角度をキープね」



誰もが静まる中で、カシャカシャと、シャッターをきる音が響く。
心地よく、感じるその音。

不思議と、怖いなんて思いは、不安は消えていた。



KAEDEが一緒だから。



「じゃあ、梨乃ちゃんもう少しこっちに身体を向けて膝を抱えるようにしてそこに顔を半分うずめてKAEDEの方を見てみようか」

「えと、こ、こう・・・?」

「そう。あまりうずめすぎないで、そう。じゃあ、KAEDEは肩ひじをついて、軽く振り向く感じで梨乃ちゃんと目を合わせて」

「はい」



は、恥ずかしい。
KAEDEと目が合う。

じ・・・と見つめあっていると、なんだかおかしくなってきてしまう。