そんなことを考えていても、その時間はやってきた。
待ち合わせの公園で待っていると目の前に黒の車が止まった。
いつも楓くんを迎えに来ていた社長さんの車。
「お待たせ、梨乃ちゃん。今日は本当にありがとう」
「いえ」
「さあ、乗って」
出てきた社長さんが助手席のドアを開けてくれる。
私は恐縮しながら乗り込んだ。
緊張するな・・・。
「実は、今日梨乃ちゃんがくるって楓は知らないんだ」
「えっ!?でも、」
「ウソついてごめんね。どうしても梨乃ちゃんに来てほしかったから」
「はぁ・・・」
そうだったんだ・・・。
でも、それって楓くん怒るんじゃ・・・。
「・・・モデルとしての道を護ってやるのが俺の仕事だからな」
「え・・・」
私は、顔をあげ社長さんを見上げた。
社長さんの横顔は少し寂しげだった。


