頬に手を添え、小さく息を吐く。
思い返す楓くんの手。

男の人の手。


私を、恐怖から救い出してくれた、温かい手。



楓くん・・・。



私は、机に置いてあった雑誌を手に取る。
KAEDEが表紙の雑誌。


このKAEDEは可愛い笑顔を浮かべている。
楓くんの笑顔。

とても小さな吹き出した笑顔だったけど。




楓くんを知るたびに、この胸の高鳴りは大きくなっていく。


これが、好きになるっていう事?
これが・・・。




「楓くん・・・」



名を呼べば、胸がトクンと鳴る。