しかしそれでも俺はこのグロリアを愛している。

車の免許を取得して初めて乗った車が実家の母ちゃんの
スズキ アルト(4MT)…
そして父ちゃんのデリカスターワゴン(ディーゼル)。
軽自動車のあまりの走らなさ、ショボさ
ディーゼルのガラガラと喧しいエンジン音
ゴツゴツとした乗り心地…

車なんてこんなモノか…と思っていたある日

俺の先輩が当時発売したてのゼロクラウンに乗り換えると言うことで
格安で譲ってもらえる事になったのが
今の俺の愛車、グロリアだ。

車に興味がなく、アルトとデリカしか車を知らなかった俺には衝撃的な出会いだった。

ボテッとした四角い大柄なボディ
丸目ヘッドライト四灯の人相の悪い顔つき…

後期は特にこの四灯のうち、内側二灯が外側のライトよりも一回り小さくなっていて
ツリ目の様になり、更に悪っぽさを際立たせている。

そしてVQ30DETのターボ…

今になって思えば大した事はない
ハッキリ言って同じセダンで言えばアリストのVや100系ツアラーVの方が間違いなく速いだろう。

だが、当時の俺を感動させ
車の世界にのめり込ませるには充分な衝撃だった。

初めてのターボ
初めてのマルチナビゲーションシステム
初めての運転席、助手席の電動シート

友達を載せた時に
『このシートどうやって後ろに下げるんだ?』
ってよく言われたもんだ…

なんであんな所にボタンが付いてるのか…意味を知るのは乗り出して数ヶ月後だったな…

楽しかった日々も、辛かった日々も
青春のすべてを共にしてきたと言っても過言ではない俺のグロリア…

信号〈アカヤデー

おっと赤信号か、止まらなきゃな…