「それは無理だなっ」



後ろからの声に理沙が振り向くと、紺野と羽山が立っていた。



「また、羽山と大地かよ!」



「だいたい、無理ってなんだよ?」



「小澤は今から、俺と大地と小澤の友達とで予定があるのっ」



「はぁー?本当かよ?小澤っ」



「あー…」



返答に困った理沙が2人を見ると、紺野と羽山は黙ってうなづいていた。



それを見た理沙も、ゆっくりうなづく。



「…うん、ごめんね?」



「マジかよー!くっそ」



「もういーや、帰ろうぜっ」



そう言って2人は、またブツブツ言いながら帰って行った。



「アイツら、まだ諦めてなかったんだな?」



「だな?」



「2人とも、ありがとう」



「いやいや」



「でも、予定なんてあったっけ?しかも私の友達もって?」



「あれでしょ?彩ちゃんとこのテニス部も午前で終わりでしょ?」



「うん、そうだけど、よく知ってるね?」