ある日、学校の正面玄関前の日陰で、理沙は彩と話していた。



「えっ?先輩からの電話出なかったの?」



「うん…」



「なんで?」



「なんでって…なんか、ビックリして…」



「ビックリって…」



「ほら、間違い電話かもしれないし」



「折り返しもしてないってこと?」



「はい…」



「でも先輩なにか話したかったのかもよ?」



「今さら…別に…」



「じゃぁ…理沙の中ではもう先輩のことは整理ついたの?」



「うーん…そういうわけでもないんだけど…」



「もーどっちー?」



「あははっ…ごめん、とまどってて…」



「うーん…あっ、ねぇねぇ、もしかしてまた寄り戻そうだったりして?」



「えー?まさかっ、"もう好きじゃない"って言われたのに?」