こ、この前って……。
水族館に行った時のことだよね。
だって……。
麻生君が……嫌そうにしてたから。
彼女だってカン違いされて、嫌だったんでしょ?
「俺とお前は付き合ってんじゃねーのかよ?」
壁に押し当てられた手がジンジンする。
そこだけやけに熱がこもっているような気がした。
「それなのに『ないない』とか思いっきり否定しやがって。メールも電話もシカトするし」
「だ、だって……!」
麻生君が……っ。
そこまで出かかったところで口を結ぶ。
言えるわけないよ、こんなこと。
「何?思ってることはっきり言えよ」
「聞いちゃったの。この前……学校でみんなにわたしが彼女だなんてありえないって言ってたのを……っ」
口に出すと現実味が増して来て、ジワジワと涙が浮かんだ。



