無料券があるとかで、水族館のチケットは麻生君にお任せした。
中に入って順番に色んな魚を見て行く。
イルカやあざらし、ラッコなんかもいて。
「あ……イルカショーやってるんだ」
魚の中でもイルカが一番好き。
可愛いから、見てるとかなり癒される。
見たいなぁ。
なんて、そんなことは言えない。
「イルカ好きなんだ?」
「あ、うん」
き、聞こえてたんだ。
「見に行くか。ちょっと急ぐぞ。もうすぐ始まっちまう」
え?
一緒に行ってくれるの?
戸惑っていると、麻生君がさり気なくわたしの手に触れた。
ビックリしてピクッと反応する。
そして、気まずそうに視線を泳がせる麻生君と目が合った。
「手ぇ繋いでいい?」
わたしの顔色をうかがうように、恐る恐る訊ねる麻生君。
顔に熱が帯びて行く。
きっと、今真っ赤だよ。



